超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

スコット・トゥロー「立証責任(上)」

とても天気がいい日。

よきよき。

 

 

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スコット・トゥロー「立証責任(上)」

立証責任(上)
スコット・トゥロー

文藝春秋 1995年09月 

by ヨメレバ

 

 

【感想】

こいつぁドロドロした展開しか見えてこないものだねぇ。

なにせ主人公のスターンが関わっている義弟じたいが

もうさ、いろいろな敵を作る要素しかないような人間だからね。

 

 

そして無類の女好き。

手腕は確かなんだけれども、上に立つ人としては

正直的確とは言えないんだよね。

女がらみの時はとにかくこの義弟(ディクソン)は

がさつとしか言えないからなぁ。

 

 

事件は主人公であるスターンの妻、クララが

自殺を遂げたことから始まります。

だけれども、自殺とは言えども

死後に出てきた何とも言えないというか

どうあがいてもこいつぁなんかあるだろうという

醜聞がね…

 

 

そして、スターンにとってはクリティカルヒットとなる

最悪の事実が露呈してくるのです。

クララは生前、控えめな人柄で派手を好む人では

なかったとされています。

でも出てきた事実はそれを裏切るものとなるのです。

 

 

そしてさらに出てくる

クララと接点を見出せそうな身近な人物…

それはクララが隠してきたある事実を

共有していたわけです。

 

 

まあこれに関してはきっと、これからの「肝」となる

大事な要素ですので、この感想文中では

公開は致しません。

ただ、その事実がある以上

その人物と亡きクララの間には何らかの接点が

あったことを意味するわけです。

 

 

あと、スターンとディクソンにはまだまだ敵が

多そうなんですよね。

スターンは腕のある弁護士です。

そして、法廷というのは戦いですので

勝つ人がいる一方で、負ける人もまたおります。

 

 

で、検事側にそりゃあそりゃあスターンを

倒したくてうずうずしている人間がいるんですよ。

おそらくですが、この作品はシリーズの2作品目なので

(また1作目があるの知らずにこの人読んでるよ!!)

1作目で何らかの不利益を被った人なのでしょうね。

 

 

ドス黒い事実が次々と噴出するし、

誰が彼らを貶めようとしているのか

皆目見当もつかない…

そしてなぜクララが誰かに大量の金銭を渡したのか…

 

 

明るみにならない部分はいっぱいですね。

翻訳作品の嫌な部分(ひたすらアレ)はありますが

黒い事柄いっぱいという点で楽しみではあります。