超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

司馬遼太郎「菜の花の沖 5」

今日で片道の旅はおしまい。

明日から本格始動となります。

あ、片道の旅は体を引き締めるまでやめません。

 

 

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司馬遼太郎「菜の花の沖 5」

菜の花の沖 5
司馬遼太郎

文藝春秋 2000年09月01日 

by ヨメレバ

 

 

 

【感想】

なんということでしょう…!!

この本、実は本編がほぼありません…!!

何をのたまっているのだ、お前とお思いでしょう。

これは真実なのです、真実なのであります。

 

 

いわゆる嘉兵衛には決定的な事件が

このあとに起きるのですが、そうなるいきさつの前に

起きた事件を解説している、いわば補足的な巻です。

要するに、鎖国状況下で起きた悲劇ともいえましょう。

 

 

歴史にはifなんぞはございませんが

もしもこの時代に鎖国さえ存在しなければ

こういうトラブルには決してなりえなかったでしょう。

ですが、ロシアの捕虜たちに江戸幕府がとった行動は

決して許されるべきものではないんですよね。

 

 

それはそれは残酷な仕打ちだったといいます。

ゴローニンがその残酷な仕打ちを受けた最たる人でしたが

彼は完全に「とばっちり」なのであります。

 

 

実を言いますと彼が来る前に蝦夷の地で狼藉を働いていった

ロシアの元軍人たちがいたのです。

元、が付く理由は彼らはもともとは軍人でしたが

利権を優先視する狡猾な男に金で落とされ、

彼のもとにつくようになった男たちなのです。

 

 

その極悪人(まあままいる悪人ですが)は

その計画の途中で亡くなり、

残った彼らが蝦夷の地で地元の民を襲い、

略奪行為に及んだのです。

 

 

そんな事をされれば決して

江戸幕府だっていい顔をするわけがありません。

厳しくなります。

何せその当時は鎖国状況下。

その前にロシアのものが来て通商を望みましたが

突っぱねているんですよ。

 

 

そんなとばっちりを受けたのがゴローニンです。

2年間彼は捕虜として

日本に捕らわれの身になったといいます。

彼はその当時の記録を本として残しているようです。

 

 

残念ながら絶版のようで…

でもいつか読めたらいいわね。

 

 

で、最後に少しだけ本編が出てきており、

実を言いますと高田屋は嘉兵衛の次の代で

没落してしまうのです。

確か調べた限りだとなんか罪に問われて没落したみたいですが

多分、記述の限りだとはめられたのでしょうね。

疎まれたと個人的に感じておりますが。

 

 

さて、最終巻での嘉兵衛の運命

楽しみだなぁ。